(2018.3.29記事更新)
3月も終盤を迎え、もしかしたら早いところではバスの産卵床(ネスト)ができていることろがあるかもしれません。
毎年この時期になると産卵床(ネスト)を狙う狙わないの話が出ます。
狙うとかわいそうだという保護の観点を持つアングラーと大物を釣れるチャンスをみすみす逃すわけにいかないアングラーとの目に見えない摩擦を感じる時期でもあります。
僕は自分のことを棚に上げるつもりは全くありませんので隠さず言いますと、
僕は産卵床を釣ります。
これだけで僕に嫌悪感を持つ人もいるでしょうね。
でも、釣ってからの行動によって産卵床を守ることは十分に可能です。
こんな時こそ、感情論ではなく自然科学的な見地からフィールドを見てはいかがでしょうか。
バスの産卵行動
水温が一定温度を超えるとバスは産卵を意識しはじめます。
日光が届く水深(浅場)に産卵床を作って産卵をします。
産卵後にオスは稚魚が孵化して一定の大きさになるまで産卵床と稚魚を守ります。
産卵床を作る頃には、バスは食事をしなくなるので弱った小魚のようにルアーを操作しても相手をしてもらえなくなります。
稚魚が孵化してオスから離れていけば産卵期の行動が全部終わったことになります。
このバスの産卵期は早ければ3月から始まり、終わりは7月までと長期に渡ります。
あくまでも一般論だけを書きました。
産卵床の釣りによるバスの個体数の増減
産卵床の釣りは賛否がわかれます。
バス釣りは個人の楽しみなので、どちらも否定することはできません。
保護をしたいと思うのも、超大物を釣りたいと思うのも個人の自由なんです。
釣り人同士が無駄にすれ違わないようにお互いの立場で知識を身につける努力をすればいいだけではないでしょうか。
(正論)釣らなければ数は減らない
ベッドを保護をすることはバスの資源を守ることになるのは間違いありません。
理論上のロスがゼロになりますからね。
観光資源と位置づけているのであれば、減耗を防ぐことは大切です。
でも、ルアー釣りというとても科学的なアプローチをしながら、この産卵床の食性では釣れない時期に釣りをしないのは、とても勿体ない気がしてなりません。
それこそ、観光資源としても真価を発揮する時期ではないでしょうか。
釣ってもその場で再放流すれば数は減らない
アメリカのとある文献では、釣った場所での速やかな再放流は、バスの個体数にさほどダメージを与えないことに言及しています。
ちょっとわかりにくくしててすみません・・・
日本でこのような研究が行われないという偏見があるので、多くの人にわかりやすく実証することは不可能ですけどね。
感情論ではなく実験をもって証明されている部分があることは知っていてほしいです。
親をベッドから移動させると産卵は失敗に終わります
トーナメントでウェイインしたり桟橋まで持ち帰って写真なんか撮ってたら、その大物の繁殖活動は失敗したことになります。
そもそもの話として、アメリカはバスの放流による資源の再生産が可能だから産卵期にトーナメントをしてもダメージの回復ができることを忘れてはいけません。
日本で同じことをしたら、再生産できないから本当に消費するだけです。
プロやアマチュアを問わず、産卵期のトーナメントはずっとバスの資源を消費しっぱなしです。
産卵期の釣り
産卵「期」ですよ。
「床」じゃないですからね。
時期の話です。
バスの状態に応じた釣り方がある
全てのバスが一斉に産卵をするわけではないので、産卵床を狙わなくても釣りは成立します。
バスの状態は、産卵前の「プリスポーン」、産卵中の「ミッドスポーン」、産卵後の「ポストスポーン」の三つの状態にわかれています。
この三つの状態はそれぞれ特徴があって狙い方も確立されています。
産卵に入る前の体力をつけようとしている状態のプリスポーンが一番バスを釣りやすいです。
ミッドは産卵床を狙わないといけません。
ポストスポーンになると、産卵後のお疲れなバスを相手しないといけなくなるので釣りが難しいくなります。
どの状態のときでも産卵にダメージはある
こういった中で産卵床だけを釣らなければ、バスの産卵にダメージを与えないでいられるでしょうか?
産卵を意識したプリスポーンのバスにダメージを与えてしまうことも可能性としてありますよね。
釣りはリリースを前提にしたとき、スポーツになり得ます。
それでも、フックを魚体(口)に引っ掛けて魚を引きずりまわしているんです。
そもそもが漁であることを忘れてはいけません。
バスを見つけて、ただ見てるだけではいられず手にとってみたいと願う・・・
「残酷な自然観察者」だと自分のことをいつも思っています。
みんなも同じなんですよ?なんて主張したい気持ちは1ミリもありません。
ただ、釣りをするということは自然を消費をしています。
その消費を回復が上回るかどうかだけなんですよ。
その部分だけでも、どこかのブログに書いていたなって覚えていてもらえると嬉しいです。
2016年の産卵期の50アップはネスト外
2016年は産卵床についたバスをあまり狙いませんでした。
っていうか大きいのがいなかったからなんですけど・・・
産卵床に入る前と産卵後で早めに体力を回復した個体ばかりでした。
自分の釣りたいバスのサイズってあらかじめ決まってて、その魚がどういう常態かってのが大事なんです。
産卵床にいるときもあれば、そうじゃないときもある。
全体の個数を考えると、産卵床にいないバスの方が絶対数は多いです。
産卵期の釣りは、産卵床に固執せず広いエリアをカバーする方がいい結果に結びつくかもしれません。
実際に2016年の僕がそうでしたから。
本当にいい経験になりました。
まとめ
毎年この時期になると産卵床(ネスト)を狙う狙わないの話が出ます。
僕は自分のもつ情報があるから大丈夫だと思って産卵床の釣りをすることにオープンな立場です。
中には僕に嫌悪感を持つ人もいるでしょうけど、釣りという行為そのものが漁なので綺麗ごとだけではないという事実があります。
ましてや春に釣りをする場合には産卵床を狙わなくてもバスにダメージを与えることだってあります。
感情論ではなく自然科学的な見地からフィールドをぜひとも見ていただき、バスという資源を保護しつつ有効に活用できる道を探してもらえたら嬉しく思います。
「釣らないだけが正解じゃない」と言いたかったのに長くなってしまいました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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